不眠症

不眠症

不眠症不眠症は手強い疾患です。
ちょっと寝つきがよくないとか目が覚めて困るという程度では病気とは言えません。
症状が、週2回以上少なくとも1ヶ月間は続いている状態を指します。

  • 入眠障害  入眠まで2時間以上かかる
  • 中途覚醒  夜中に2回以上目が覚める
  • 熟眠障害  起床時に睡眠が不十分と感じる
  • 早期覚醒  普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまう

といった様々な症状がみられます。
不眠で困っている、日常生活や仕事に悪影響が出ていることも、不眠症の条件です。
ストレスなどで一時的に眠れない状態は、反応性の不眠です。

不眠症の診断基準 ICSD-II(International Classification of Sleep Disorders,第2版

A.入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、慢性的に非回復性または睡眠の質の悪さの訴えがある。小児では睡眠困難がしばしば養育者から報告され、就寝時のぐずりや一人で眠れないなどのこともある。
B.上記の睡眠困難は、睡眠にとり適切な状況、環境にかかわらずしばしば生ずる。
C.患者は夜間睡眠困難と関連した日中機能障害を以下の少なくとも一つの形で報告する。

  1. 疲労感、不快感
  2. 注意力、集中陸、記憶力の低下
  3. 日中の眠気
  4. 社会的、職業的期の低下、または学業低下
  5. 気分の障害、またはイライラ感
  6. 動機づけ、活動性、積極性の減弱
  7. 仕事のミスや運転中の事故の起こしやすさ
  8. 睡眠不足による、緊張、頭痛、胃消化器症状
  9. 睡眠についての心配、悩み

原因について

不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。
不眠症は一つの病気ではありません。
大部分の不眠症にはそれぞれ原因があり、対処法も異なります。

ストレス

辛ければ眠れないのは当たり前。
なにがねむりをさまたげているのか自分ではよくわからないこともあります。
不眠にこだわると、抜け出すのに苦労します。

からだの病気

体調不良から不眠になる方も多いのです。
不眠そのものより、背後にある病気の治療を優先しましょう。
症状がとれれば、不眠が解決することもあります。

こころの病気

こころの病気は不眠を伴います。
不眠の原因としての抑うつ状態は注意が必要です。
気分の落ち込み、意欲減退、興味の減退、などの症状は赤信号です。

その他の睡眠障害

睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)なども考えておくべきです。

薬や刺激物

睡眠を妨げる薬としては、降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。
抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。
カフェイン、ニコチンなどには覚醒作用があり、安眠を妨げます。
カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。

生活リズムの乱れ

交替制勤務や時差など睡眠・覚醒のリズムを乱す要因は多々あります。
健康を守るためには睡眠衛生が大切なのです。
自己実現の項目に健康管理を入れない人はいませんが、仕事と休息のバランスをとることは意外と難しいものです。

環境

騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。
また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。
安心して休息のとれる環境を工夫してください。
身体と心が弱点を抱えると環境の許容範囲が狭くなってしまいます。

治療法について

不眠への対処法

  • 就寝・起床時間を一定にする
  • 睡眠・覚醒のリズムが乱れると体調の回復が遅れます。
  • すべての細胞は時計遺伝子を働かせていています。
  • 消化器系の細胞は消化・吸収の独自のリズムを働かせていて、視交叉上核からの指令にうまく同調できないことも起きてしまいます。
  • 起きる時刻が乱れると食行動も乱れます。
  • 不眠症から逃れるには概日リズムを保つべきなのです。
  • 平日・週末にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけましょう。
  • 午後3時前までに30分以内の昼寝をとるとが日中の眠気に有効です。

人にはそれぞれに特有な睡眠時間があります。
「◯◯時間眠りたい!」とこだわるのは現実的ではありません。
眠れなければ思い切って寝床から出て時間を有効に使います。
眠れないまま寝床にいると、不安や緊張が増して却って眠れなくなります。

お日様と仲良くなろう

希望の朝を迎え、
勤勉の昼を過ごし、
感謝の夕べを送る。
強い光には体内時計を調整する働きがあります。
早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。

適度の運動をする

体を動かすと心地よく眠れます。
運動は午前よりも午後に、軽く汗ばむ程度。
激しい運動は交感神経を興奮させてむしろ寝つきを悪くします。
負担にならない程度の有酸素運動を根気強く継続することが効果的です。

ストレス解消は自己流で

自分に合った行動で上手に気分転換をはかります。
ストレスをためないようにしましょう。

眠るためには工夫が必要 リラックスタイムをつくりましょう

ぬるめのお風呂にゆっくり入る。
好きな音楽や読書などでリラックスする時間をとる。
それができれば苦労はない。やっても効かないことも多いけれど。

寝酒はダメ

深酒は禁物です。
寝酒は眠りを不安定にします。
飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。

快適な寝室づくりを

ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを。
温度や湿度にも注意が必要です。
睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40~70%くらい。

1. 不眠治療の基本的な考え⽅

現在の不眠症治療の主流は睡眠薬を⽤いた薬物療法です。
しかし、薬物療法単独では⼗分に満⾜できる⻑期予後とアドヒアランスが得られないケースも多いのが現状です。
過去の疫学調査によれば、1ヶ月以上持続する慢性不眠症に陥ると、その後も遷延しやすく、きわめて難治性であることが明らかにされています。
慢性不眠症患者の70%では1年後も不眠が持続し、約半数では3〜20年後も不眠が持続します。
また、慢性不眠症患者の約半数は薬物療法などで⼀旦寛解しても、さらにその半数は再発しています。
睡眠薬を⻑期服⽤する患者は増加していて、⼀⽇あたりの服⽤量も増加傾向にあります。
治療途中で薬物療法の妥当性を適宜評価することが必要です。
不眠治療においては、薬物療法と平⾏して、睡眠衛⽣指導や認知⾏動療法などの⼼理・⾏動的介⼊を⾏なうことが推奨されています。

2. 不眠症の薬物療法の現状(初期治療)

GABAA-ベンゾジアゼピン受容体作動薬であるベンゾジアゼピン系および⾮ベンゾジアゼピン系睡眠薬を⽤いた初期治療がおこなわれています。
メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)については、⽣体リズム障害に起因する不眠などやGABAA受容体作動薬の代替薬物としても用いられています。

3. 不眠症の薬物療法の現状(亜急性期〜慢性期治療)

高頻度に現れる副作⽤は健忘、筋脱⼒・転倒、催奇形性、薬物依存などです。
⾮ベンゾジアゼピン系睡眠薬およびメラトニン受容体作動薬については6〜12ヶ月の⻑期投与試験データで、ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比較して⻑期服⽤時の有効性と安全性が格段に向上していることが確認されています。
⽇本⼈は睡眠薬に関する不安・⼼配を数多く抱えているので服⽤の長期化傾向は低いと言えます。
不眠症に対する薬物療法は、不安・⼼配についての適切なサポートと、ベネフィットとリスクの妥当な評価が必要です。

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